セラミックとは?
意外にその正体がわからないのが、このセラミックではないでしょうか。
本来、陶磁器のことを指す筈ですが、あらためて調べてみると関連語として
- IC基盤
- コンデンサー
- 包丁
- おろし器
- 前歯
といったものが出てきます。
さらには、このセラミックで塩素除去までできるとなると、ますます混乱してしまいそうです。
一体、セラミックとは何なのでしょうか。
その疑問を解く鍵は、
多孔性(多孔質)
という言葉にあります。
多孔性(多孔質)とは?
多孔質とは、
微細な孔(あな)が多数存在し、その結果、同程度の体積をもつ物質よりも表面積が拡大された物質
のことです。
…なんていうと、いかにも大袈裟ですね。
多孔性(多孔質)を理解するには、「スポンジ」と「素焼きの植木鉢」をイメージするのがちょうど良いかと思います。
スポンジで見る多孔質
「スポンジ状になっている」と表現することがありますが、あの形状こそが正に多孔質です。
ちょっと浸せば水を吸い、かるく絞るだけで容易に水を放出する。
その
「吸水性」と「水はけ」の良さ
が多孔性の特徴となります。
また
孔(あな)の大きさ次第で、こしとるものと透過させるものを選り分けられる
のも多孔質の重要な性質です。
素焼きの植木鉢に見る多孔性
では、次に「素焼きの植木鉢」をイメージしてみましょう。
園芸家は、育てる植物の種類によって植木鉢の材質を使いわけるそうです。
プラスチック
- 水の保ちが良い。
- → 乾燥を嫌う植物向き
- → 植物の管理に時間を割けない人向き
- 保水力が高い分、つよい日射しのもとでは鉢の中が蒸れやすく、根腐れをおこす可能性がある。
- → 水のやり過ぎに注意
素焼き
- 吸水性、水はけが良い。
- → 過度の湿度を嫌う植物向き
- 水はけが良い分、つよい日射しのもとでは、(育てる植物にもよりますが)水切れをおこす可能性がある。
- → こまめな水の管理が必要
- → 植物の管理を楽しめる人(or 時間のある人)向き
- 植木鉢の含水量によって鉢そのものの色が変わるので、水の状態を把握しやすい。
[素焼き]の3番目については、ご経験のある方も多いのではないでしょうか。
水をあたえた直後は、表面はひんやりと湿っぽく、色も赤味を帯びた状態となっています。
そして、(季節にもよりますが)半日も経つころには表面が白っぽく乾いた状態となり、ひと目で、乾燥がはじまっていることを把握することができます。